黒崎瑞枝 画像左⑩≪34-39.06 N 135-26.3 E≫ 画像右⑪≪35-2.2 N 135-47.5 E≫ 起点となった過去作品は、自分の制作と、そしてアスファルト地面との関係について考えるきっかけになったものである。この作品のリメイクによって、地面の下にある層、そして地面の上に落ちたものに対して視点を当て、私たちが立脚しているものについて改めて考えたい。現代、私たちが目にする地面の多くは舗装されているが、それ以前は、土の地面があり、草木も生い茂っていただろう。それらを潰すことによって、今地表はアスファルトによって覆われようとしている。しかし、人間が自然を破壊し、地表を舗装で覆っても、年月が経てば、アスファルト地面も地層の中の一層として、完全に過去の遺物となる時が来るだろう。だがそれは新たな創造の可能性も含んでいる。その破壊と創造のプロセスを、「点」の集積によって見立て、私たちが立脚している地面が孕んでいる危うさと、その不確かさの中から何かが誕生する多層構造を表現したい。リメイク作品ではアスファルト地面と、その上に落ちたものによって覆われてゆく様子、新作では、アスファルト地面とその下の層を描く。