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アートギャラリー鵬休堂

京都東山にある画廊の展覧会情報です。

松浦健太朗 作品

松浦健太朗 作品
松浦健太朗くんには、4点1組の作品を出品いただきました。 この作品は、彼の過去作のリメイク作品となります。そのオリジナル作品「朽葉」は大学2回生の時の作品で、それ以降は、材料やフレスコの洋画の研究をしていて、いわゆる‘’日本画‘’から離れているそうです。この「無題」は、コンパネを画面支持体として、フレスコ画のように下塗りに石膏を用い、そして着彩後にシルクスクリーンを被せている作品となります。この作品が、4点1組になっているのは、一つの作品を4分割したのではなく、一つの作品が4枚に量産されたいう意味で、展示空間が許せば、無限に増刷されている展示にしたいという。この量産というのが、作者の主張の現在の表現法といえます。一品一品を丁寧に描いていく日本画制作の在り方への疑問であり、そのテーゼに批判的視座に立ち、版画的手法を持ち込み自らの作品を量産品化することによって、アンチテーゼを視覚化した作品としています。彼の主張は、明治以降の西洋的なるものを取り入れた近代化された日本画への疑問と批判であり、その継承上に立つ現在の日本画もしかりであるという。彼の批判的精神とその視座をもって創作活動するというのは、創作動機の大切なモチベーションそのもので、そのモチベーションと視座を保ちつつ、弁証法的に止揚(アウヘーベン)された彼なりの解決策であり、あるべき日本画の提示でもあるジンテーゼなる作品が可能なのか見守りたい。
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  1. 2018/02/03(土) 11:30:40|
  2. 展覧会2018年1月糸を手繰るように
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